飾磨砲台跡(読み)しかまほうだいあと

日本歴史地名大系 「飾磨砲台跡」の解説

飾磨砲台跡
しかまほうだいあと

[現在地名]姫路市飾磨区須加飾磨区細江

文久三年(一八六三)に姫路藩が幕府の命により異国船の来襲に備えて須加すか町の湛保たんぽ(新しい船溜)の南に築いた砲台。通称お台場だいば。「飾磨町志」によると、湛保の工事の際に海底から掘上げて南の海岸に積上げてあった大量の土砂(通称弘化山)を利用して砲台を築造し、大砲四門(荻野流二門・西洋流二門)を配備して異国船の襲撃に備えた。同書および「飾磨郡誌」に収録されている当時の砲手増田良蔵の談によれば、砲手は姫路藩士で、数人が一〇日交替で砲台横の出張所に常駐し、網干あぼし沖に向かって大砲発射の訓練をしたほか、砲台には海上監視用の遠眼鏡家島いえしま(現家島町)むろ(現御津町)などの他砲台への信号用の花火が配備されていたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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