姫路市(読み)ヒメジシ

デジタル大辞泉 「姫路市」の意味・読み・例文・類語

ひめじ‐し〔ひめぢ‐〕【姫路市】

姫路

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日本歴史地名大系 「姫路市」の解説

姫路市
ひめじし

面積:二七五・四五平方キロ(境界未定)

播磨の中心に位置し、市域の大半は播磨平野の低平地にあり、南は瀬戸内海の播磨灘に面する。播磨平野は播但高原から西に続く中国山地に源をもつ数本の河川がつくりだした沖積平野で、なかでもいち川によって形成された扇状地・三角洲が中心部にあたり、その上に市街地が広がる。市域の西部には夢前ゆめさき川および揖保いぼ川が流れ、河口部に広がる三角洲上に市街地や工場が立地している。北部は中国山地の支脈の標高三〇〇メートル前後の山地が東西に連なり、東から随願ずいがん寺のある増位ますい(二五九メートル)広峯ひろみね神社のある広嶺ひろみね山、円教えんぎよう寺のある書写山、鶏足けいそく寺のあった峰相みねあい山などが並ぶ。東は高砂市・加古川市・加西市、北は神崎かんぎき福崎ふくさき町・同郡香寺こうでら町・飾磨しかま郡夢前町・宍粟郡安富やすとみ町、西は龍野市・揖保郡新宮しんぐう町・同郡揖保川いぼがわ町・同郡御津みつ町に接する。JR山陽本線・山陽新幹線、国道二号と同姫路バイパスがほぼ並行して中央部を横断し、東西の主要交通路を形成する。山陽本線姫路駅からは北へJR播但線、北西にJR姫新線が分岐、山陽電鉄も駅前から南方飾磨に通じ、さらに海岸部を市域西端の網干あぼしまで延び、東は県南部を神戸方面へ通じている。北部の山麓には東西に山陽自動車道が通る。姫路バイパスからは播但自動車道がJR播但線と並行して北へ向かう。ほかに国道二九号が鳥取方面へ、同三七二号が篠山方面に通じ、同二五〇号は海岸部を東西に横断、同四三六号は飾磨港に通じる。飾磨港からは小豆島へフェリーが通じ、家島いえしま群島にはほん島・男鹿たんが島・坊勢ぼうぜ島との航路が開かれている。市街地中央部のひめ山山上には日本初の世界遺産の指定を受けた姫路城がある。市街地は城下町から発達したもので、海岸部の旧港町飾磨・網干と連続した市街地を形成するに至った。市名は「播磨国風土記餝磨しかま伊和いわ里の条にみえる日女道ひめじ丘に由来する。

〔原始〕

旧石器時代の遺跡は手柄てがら山の北丘陵からナイフ形石器、御着城ごちやくじよう遺跡から小型ナイフ形石器や角錐状石器などが出土している。縄文時代中期・後期の遺跡は辻井つじい遺跡・橋詰はしづめ遺跡・今宿丁田いまじゆくちようだ遺跡などがある。また近年発掘された船場川東地区せんばがわひがしちく遺跡は最も低地に立地する。辻井遺跡からは壮年男子の人骨、堂田どうでん遺跡からは貝層中から石棒が出土している。弥生時代の遺跡は前代から継続する遺跡のほか、市之郷いちのごう千代田ちよだ八反町はつたんちよう名古山なごやま飾西東山しきさいひがしやま国分寺台地こくぶんじだいちの各遺跡などが発掘されている。うち名古山遺跡と今宿丁田遺跡からは銅鐸の鋳型が出土し、飾西東山遺跡は中期の高地性集落である。


姫路市
ひめじし

2006年3月27日:姫路市が神崎郡香寺町、飾磨郡夢前町・家島町、宍粟郡安富町を編入
【香寺町】兵庫県:神崎郡
【夢前町】兵庫県:飾磨郡
【家島町】兵庫県:飾磨郡
【姫路市】兵庫県
【安富町】兵庫県:宍粟郡

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「姫路市」の意味・わかりやすい解説

姫路〔市〕
ひめじ

兵庫県南部,姫路平野を中心に広がる市。播磨灘北部の家島諸島を含む。市川夢前川の複合三角州からその背後の丘陵地帯に広がり,播磨工業地域の中核をなす。 1889年市制。以後周辺市町村を編入して市域を拡大。 1996年中核市に移行。 2006年香寺町,安富町,家島町,夢前町の4町を編入。中心市街地は,奈良時代は播磨国の国府所在地。江戸時代は初め池田氏,寛延2 (1749) 年以降は酒井氏 15万石の城下町,西国街道の宿場町として発展。明治以後は軍都となった。山陽新幹線,JR山陽本線,播但線,姫新線の交点で,県西部の商業中心地。工業の近代化は江戸時代の播磨木綿に発した繊維工業に始まり,マッチ,皮革などの工業が興った。 1937年の広畑への製鉄工場の進出を機に,臨海地域の重工業化が進み,1960年代からの大規模な海浜埋め立てにより,東は妻鹿から飾磨,広畑を経て網干にいたる地域に重化学工業地域が形成され,周辺の丘陵地は住宅地へと変容した。周辺部では養鶏や米作などの農業が盛ん。家島諸島ではハマチなどの養殖と観光漁業が行なわれる。中部に江戸中期に起源をもつ塩田温泉がある。姫路城は大天守など8棟が国宝,門や土塀など 74棟が国の重要文化財に指定され,姫路城跡は国指定特別史跡。国際連合教育科学文化機関 UNESCOの世界遺産 (文化遺産) にも登録されている。書写山の円教寺は大講堂などが国の重要文化財,境内が国の史跡に指定。播磨総社 (射楯兵主神社) の一ツ山・三ツ山神事は国の重要無形民俗文化財に指定され,三ツ山のひな型は国指定重要有形民俗文化財。ほかに広峯神社本殿,弥勒寺本堂,古井家住宅などの国指定重要文化財,播磨国分寺跡,壇場山古墳,瓢塚古墳赤松氏城跡置塩城跡などの国指定史跡がある。家島諸島の一部は瀬戸内海国立公園に,書写山一帯は西播丘陵県立自然公園に,東部の丘陵部は播磨中部丘陵県立自然公園に,北部の雪彦山一帯は雪彦峰山県立自然公園に属する。山陽新幹線,JR山陽本線,播但線,姫新線,山陽電気鉄道の鉄道網,山陽自動車道,播但連絡道路,国道2号線,29号線,250号線,312号線,372号線,436号線の道路網が縦横に伸び,姫路港と家島諸島および小豆島との間にフェリー,高速船の定期便がある。面積 534.56km2。人口 53万495(2020)。

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