改訂新版 世界大百科事典 「馬山古墳群」の意味・わかりやすい解説
馬山古墳群 (うまのやまこふんぐん)
鳥取県東伯郡湯梨浜町橋津の馬山丘陵上にある古墳群。橋津古墳群ともいい,前方後円墳5基,円墳17基からなる。1957年史跡指定。そのうち第4号墳は,西面する4世紀後半の前方後円墳で,全長110m,後円部径58m,前方部幅35mあり,葺石(ふきいし)および円筒埴輪をめぐらしている。1956年の発掘により,後円部に竪穴式石室と箱式石棺とを並設しているほか,前方部にも箱式石棺3個,埴輪円筒棺2個,埴製円筒棺1個の陪葬があることが判明した。後円部の竪穴式石室は,安山岩の板石を用いて積み,床面に礫(れき)を敷いたもので,内法の長さ8.5m,幅85cmと長大である。石室内には木棺材が遺存し,鏡,碧玉製腕飾類,玉類,刀剣,斧,鉇(やりがんな),鋸などの副葬品があった。5面の鏡のうち,三角縁三神二獣博山炉鏡と方格規矩鏡とは中国製である。後円部の箱式石棺からも鏡,玉類,刀が出土した。
執筆者:小林 行雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報