高宮保・高宮庄(読み)たかみやほ・たかみやのしよう

日本歴史地名大系 「高宮保・高宮庄」の解説

高宮保・高宮庄
たかみやほ・たかみやのしよう

古代の犬上いぬかみ郡高宮郷(和名抄)に成立した庄園で、現高宮町が遺称地。寛喜三年(一二三一)九月二一日の比叡山無動むどう寺末願興がんこう寺領雑掌橘道国の申状(「民経記」貞永元年一〇月巻裏文書)に、「件願興寺領者、尊勝寺五大堂領相交高宮保」とみえる。この申状は、伊勢神宮への勅使派遣に関する駅家雑事が願興寺領に課せられ、勅使米催使が乱入したことに対しその停止を訴えたもので、門跡領は「御訪おとぶらい」によって別に負担するので二重の課役になると主張、また国役は田地に付される臨時役で、「地主御方」からの下知にしたがって役を勤めるのが先例であると、課役の不当性を訴えている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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