日本大百科全書(ニッポニカ) 「高田飴」の意味・わかりやすい解説
高田飴
たかだあめ
新潟県上越(じょうえつ)市の名物飴。十返舎一九(じっぺんしゃいっく)の『金のわらじ』に、「高田(現上越市)の御城下に至る、当国一の御城下にて繁昌(はんじょう)の処(ところ)なり。石灰屋といふ宿に泊る。横春日(よこかすが)町といふに粟(あわ)にて製したる水飴至って上品にて、風味よくこの処の名物なり」とあり、高橋孫左衛門商店と大杉屋惣兵衛(そうべえ)の両老舗(しにせ)が、上杉謙信時代からの兵糧食を、今日に伝えてきた。粟と麦もやしでつくる粟飴が高田飴のなかではいちばん古いが、粟を糯米(もちごめ)にかえてつくった水飴をクマザサにくるんだ笹(ささ)飴、水飴にみじん粉、寒天、香料を加えてつくる翁(おきな)飴の三つを総称して、今日では高田飴といっている。翁飴は2代目高橋孫左衛門の創作である。
[沢 史生]