改訂新版 世界大百科事典 「魯迅芸術学院」の意味・わかりやすい解説
魯迅芸術学院 (ろじんげいじゅつがくいん)
Lǔ Xùn yì shù xué yuàn
中国で1938年,中国共産党によって魯迅を記念して延安に創立された学校。魯芸と略称される。翌年,校舎を延安近郊の教会跡地に移転させて充実,名称も魯迅芸術文学院と改め,周揚等が指導して本格的な活動に入った。戯劇,文学,音楽,美術の4科からなるが,生産労働と結びつけ,また実践教育を重視し,実験劇団,文芸工作団,美術工場なども併せもったが,これは毛沢東の《文芸講話》の具体的実践であった。修業年限は3年。何其芳,冼星海(しようせいかい),古元等の一流の芸術家教授陣の指導により,多くの文芸幹部を養成した。当学院最大の成果は,卒業生賀敬之らが集団創作した大型歌劇《白毛女》(1944)だが,木刻画の活動も忘れることはできない。なお,中国革命の展開のなかで東北,蘇北等にも分置された。
執筆者:坂井 東洋男
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