日本大百科全書(ニッポニカ) 「鯖ずし」の意味・わかりやすい解説
鯖ずし
さばずし
鯖肉を上にのせた押しずし。古くから京都をはじめ、関西で名物になっている。棒ずし、バッテラ、姿ずし、押しずしなどがある。サバのおろし身を10時間ぐらい塩をしておくか、塩サバを酢でしめる。固めの飯を炊き、合わせ酢を加え酢飯をつくる。棒ずしは、昆布だしを使ったすし飯を用い、半身のサバの下にすし飯を棒状にまとめ、昆布で巻いて、さらに竹皮でしっかりと包み、1日置いてならす。大阪では薄くそいだサバの酢じめの身を、すし飯の上にのせ、箱型に押し、これをバッテラとよんでいる。ポルトガル語のバテイラbateira(小形の舟)に由来するという説があり、鯖ずしの形が舟に似るからといわれている。
[多田鉄之助]