鯰押え(読み)なまずおさえ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鯰押え」の意味・わかりやすい解説

鯰押え
なまずおさえ

岐阜県大垣市でつくられる郷土玩具(がんぐ)。大垣祭(5月14~15日)に出る山車(だし)人形の「道外坊(どうげぼう)」を玩具化したもの。「道外坊」は、鎌倉時代の根気のよいことで知られる武士青砥藤綱(あおとふじつな)をモデルにしたといわれ、老人が瓢箪(ひょうたん)を持って大鯰と向かい合い、「瓢箪鯰」(鯰を天災、瓢箪を人力に例え、捕らえ所がない意)を表現、からくり仕掛けで老人と鯰が動く祭礼の名物山車である。これによって明治初年に考案された玩具は、糸を引くと紙人形の道外坊と紙製の鯰がくるくる回る。

[斎藤良輔]

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デジタル大辞泉プラス 「鯰押え」の解説

鯰押え

岐阜県大垣市の郷土玩具。大垣八幡の祭礼に出る山車人形を玩具化したもの。台の上で人形とナマズがくるくる回る仕掛けになっている。

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世界大百科事典(旧版)内の鯰押えの言及

【ナマズ(鯰)】より

…近世末の社会的動揺と江戸人のしゃれとが合体して生まれたものとみるべきであろう。また伝説や民話に基づく郷土玩具に,巴波(うずま)の鯰(栃木県)や鯰押え(なまずおさえ)(岐阜県大垣市)などがある。地震[民俗]【千葉 徳爾】。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」