鳥毛(読み)トリゲ

デジタル大辞泉 「鳥毛」の意味・読み・例文・類語

とり‐げ【鳥毛】

鳥の羽毛
指物さしもの竿さおの先や槍のさやなどを羽毛で飾ったもの。大名行列などで、先頭の者がこれを振って威勢を示した。

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精選版 日本国語大辞典 「鳥毛」の意味・読み・例文・類語

とり‐げ【鳥毛】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 鳥の羽毛。鳥の毛。
    1. [初出の実例]「草臥て鳥毛も飛ぬ道具持」(出典:雑俳・へらず口(不及子編)(1734))
  3. 指物(さしもの)の竿の先や、長槍の鞘を鳥毛で飾ったもの。大名行列などで、先頭の者がこれを振って威勢を示した。
    1. [初出の実例]「鳥毛の大半月のさし物をさし」(出典:太閤記(1625)一二)
  4. とりげざや(鳥毛鞘)」の略。
    1. [初出の実例]「まだほのぐらき暁の鳥毛の鑓先揃へしは」(出典:浄瑠璃・傾城反魂香(1708頃)上)

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世界大百科事典(旧版)内の鳥毛の言及

【槍∥鎗∥鑓】より

…塗柄としては,黒漆塗や青貝叩があり,皆朱(かいしゆ)の柄は武辺者に限られた。
[鑓の鞘]
 鞘も室町時代のころは簡単で,多くは黒漆塗であったが,しだいに長大になり,身の形式にかかわりなく,各種の形式につくって獣毛を植えて刈りそろえて〈摘毛(つみげ)〉といい,鳥の羽を植えて〈鳥毛(とりげ)〉と呼び,さらにテン,ヒョウ,トラなどの毛皮を袋として鞘を包み,上端を長く垂らして投鞘(なげざや)としたり,あるいはたたき塗などとして各自の家の標識とするに至った。そのため江戸時代の大名の持鑓はまったく儀仗化した飾り鑓で,行列用の長道具として家紋と同様,特定の形式を示すにすぎなくなった。…

※「鳥毛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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