鵜原村
うばらむら
松部村の西に位置し、汀沿いを伊南房州通往還が通る。南に明神岬が突き出ており、南東部の枝郷吉尾に小田喜城(現大多喜町)城主武田朝信が砦を築いたと伝える。天正一八年(一五九〇)と推定される関東八州諸城覚書(毛利家文書)に「上総 よしうの城」とみえ、当時勝浦城主正木頼忠の持城であった。同一九年(慶長八年とも)と推定される二月三〇日の植村泰忠定書(覚翁寺文書)に「よしう」とみえ、勝浦(根小屋)の市日に売買を禁じられており、当時海付の郷村として交易が行われていたことが知られる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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