鶤鶏駕籠(読み)とうまるかご

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鶤鶏駕籠」の意味・わかりやすい解説

鶤鶏駕籠
とうまるかご

江戸時代の罪人護送用の駕籠トウマルの祖鶏を入れた飼育籠(かご)の釣鐘型と似ているための呼び名。唐丸籠とも書く。高さ1メートルほどの割り竹で編んだ目駕籠(めかご)で、輸送中は筵(むしろ)で覆った。目の高さに椀(わん)を入れる穴、下の板張りに大小便用の落とし穴があいている。中に棒を立て罪人をつなぎ、手鎖、足枷(あしかせ)をはめる。舌をかまぬよう、自殺防止に管をくわえさせるが、食事のときは役人が立ち会って外す。鶤鶏駕籠は庶民の囚人用で、武士には用いなかった。

稲垣史生

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