足枷(読み)アシカセ

デジタル大辞泉 「足枷」の意味・読み・例文・類語

あし‐かせ【足×枷】

《「あしがせ」とも》
2枚の厚い板に足首大の半円をあけ、前後から罪人の足をはさんで、足の自由を束縛する刑具。あしかし。→手かせ
自由な行動を妨げるもの。足手まといになるもの。「家族が行動の足枷となる」

あし‐かし【足×枷】

《「あしがし」とも》「あしかせ」に同じ。
「手かし―に入れられたと」〈史記抄・李斯伝〉

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精選版 日本国語大辞典 「足枷」の意味・読み・例文・類語

あし‐かせ【足枷】

〘名〙
① (「あしがせ」とも) 二枚の厚い板に足首大の半円をあけ、前後から足をはさんで、罪人の自由を束縛する刑具。あしがし。
平治(1220頃か)下「手かせあしかせ入れられて、獄中に苦しみ給ひけるに」
※浄瑠璃・国性爺合戦(1715)三「縄はおろか足がせ手がせにかかっても」
② 自由な行動を束縛するもの。
※三百則抄(1662)七「公案の棒が天下人のくびかせ脚かせとなったぞ。此の棒をのがれた者が无いぞ」

あし‐がし【足枷】

〘名〙 (「あしかし」とも) =あしかせ(足枷)
書紀(720)継体二四年九月(図書寮本訓)「百済、則ち奴須久利を捉(かすゐ)て、杻(アシカシ)(てかし)(くびかし)(かなつから)して、新羅と共に城を囲む」
随筆・折たく柴の記(1716頃)上「勘気をかうぶれる身也といふとも、手がし足がしゐれられたるにもあらばこそ」

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百科事典マイペディア 「足枷」の意味・わかりやすい解説

足枷【あしかせ】

刑具の一つ。械,桎とも書く。木製または金属製で,半円をあけた2枚の板を前後から合わせて足首を拘束する。丸い輪を足首に掛け,それに鉄丸を鎖でつないだものもある。中国では漢以後,日本では江戸時代に見え,後者は明治以後も用いられた。欧米ではストックスstocksと呼ばれる型のものが用いられた。
→関連項目戒具

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