日本歴史地名大系 「鷺浦」の解説 鷺浦さぎうら 島根県:簸川郡大社町鷺浦[現在地名]大社町鷺浦宇龍(うりゆう)浦の東方に位置する。佐木・佐岐などとも記す。「出雲国風土記」の出雲郡鷺浜に比定される。同書にみえる同郡の二つの黒(くろ)島のうちの前者は当地北西端の足毛馬(あしげうま)島、大前(おおさき)島は当地北端の鶴(つる)島、脳(なずき)島はその手前の柏(かしわ)島とされ、同郡宇賀(うか)郷西方にあったと記される黄泉(よみ)の穴を鶴島東方の海岸べりにある洞窟とする見解もある。中世には杵築大社(出雲大社)領一二郷七浦の一つで、建武二年(一三三五)一二月三日には国造出雲孝時の後家尼覚日が「さきのうら」などを子息孝景に譲っている(「尼覚日譲状」北島家文書)。文禄四年(一五九五)一二月二五日の羽仁右衛門尉打渡状(同文書)によると、「佐義浦」は田一町八段三〇歩(分米一一石余)・畠一段小(代一四四文)、屋敷一六(地銭二貫二〇〇文)、役舟一三(役銭三九文)、山役四〇文。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by