黄鐘調(読み)オウシキチョウ

デジタル大辞泉 「黄鐘調」の意味・読み・例文・類語

おうしき‐ちょう〔ワウシキテウ〕【黄鐘調】

雅楽六調子の一。黄鐘の音を主音とする旋法。

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精選版 日本国語大辞典 「黄鐘調」の意味・読み・例文・類語

おうしき‐じょうワウシキデウ【黄鐘調】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「おうしきちょう」とも )
  2. 雅楽六調子の一つ。黄鐘の音(イ音)を主音、すなわち宮音とする旋法。おうしき。
    1. [初出の実例]「楽は黄鐘調にて、伊勢海といふ歌をあそぶ」(出典:延喜十三年亭子院歌合(913))
  3. おうしき(黄鐘)
    1. [初出の実例]「わうしきてうに調べて、世の常(つね)のかき合はせなれど、所がらにや耳馴れぬ心地して」(出典源氏物語(1001‐14頃)橋姫)

黄鐘調の補助注記

読みは特に第三音、第五音の清濁諸説に分かれるが「楽家録‐二八・楽曲訓法」に見える「和宇志気伝宇、調字濁」とあるのに従う。「教訓抄‐六」には「或説に、黄風調と云ふ」とも見え、平安後期には二つの語形が併立していたことが知られる。

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世界大百科事典(旧版)内の黄鐘調の言及

【黄鐘】より

…基音である壱越(いちこつ)の音(洋楽のd,ニ音)から八律目の音で,aの音(イ音)とほぼ同じ高さの音。雅楽でこの音を主音とする調子を黄鐘調といい,六調子の一つでに属するとされる。なお〈こうしょう〉とよまれることもあるが,これは十二律の中国名で別音である。…

【能管】より

…拍に規定されたリズムで吹く合ワセ吹キと,拍に規定されないリズムのアシライ吹キがあり,四拍子(よひようし)のみの合奏には両者が用いられ,謡(うたい)の伴奏はアシライ吹キだけである。旋律の基本のにおける各句の終止音が,歌口に近い指孔二つ(森田流は三つ)をおさえた音であるものを黄鐘(おうしき)調といい,これが基本であるが,歌口に最も近い1孔をおさえる盤渉(ばんしき)調の曲もある。特殊なものに双調(そうぢよう)と平調(ひようぢよう)がある。…

【六調子】より

),双調(そうぢよう)(双調が宮。呂),黄鐘(おうしき)調(黄鐘が宮。律),盤渉(ばんしき)調(盤渉が宮。…

※「黄鐘調」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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