知恵蔵 「黒木華」の解説
黒木華
追手門学院高、京都造形芸術大学芸術学部映画学科俳優コース卒業。高校時代は演劇部で活動し、大学では映画監督・プロデューサーの林海象らに指導を受ける。2009年に劇作家の野田秀樹のワークショップに参加し、10年に野田が主宰するNODA・MAP「ザ・キャラクター」でデビュー。11年には同「表に出ろいっ!」のオーディションでヒロイン役に抜擢(ばってき)され、注目を集めた。同年はこの他、NODA・MAP「南へ」、長塚圭史が主宰する阿佐ヶ谷スパイダースの「荒野に立つ」、蜷川幸雄の演出による「あゝ、荒野」など、著名な演出家の作品に続けて出演した。
映画界では、11年に「東京オアシス」(松本佳奈・中村佳代監督)に主要キャストとして初出演。13年には「舟を編む」(石井裕也監督)、「シャニダールの花」(石井岳龍監督)、「草原の椅子」(成島出監督)、「くじけないで」(深川栄洋監督)などの話題作に出演し、第37回日本アカデミー賞新人俳優賞、第87回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞、第56回ブルーリボン新人賞など、国内の賞を多数受けた。14年には山田洋次監督の「小さいおうち」で割ぽう着姿の女中の役を演じ、第64回ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞した。日本人で同賞の受賞は史上4人目となる。
この他、12年公開のアニメ映画「おおかみこどもの雨と雪」(細田守監督)でヒロインの長女である雪の少女期の声を担当。ドラマでは、NHK朝の連続テレビ小説「純と愛」、フジテレビの「リーガルハイ」、テレビ東京の「まほろ駅前番外地」に出演した。14年3月31日から始まるNHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」への出演が決まっている。
(若林朋子 ライター / 2014年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報