映画監督。大阪府豊中(とよなか)市生まれ。1954年(昭和29)東京大学法学部卒業、松竹大船撮影所に演出助手として入社。主として野村芳太郎(よしたろう)の助監督をつとめ、1961年に『二階の他人』を初監督。『下町の太陽』(1963)、『馬鹿(ばか)まるだし』(1964)などの庶民喜劇で着実に実力をつける。1969年に監督した渥美(あつみ)清主演の『男はつらいよ』が大ヒットし、以来年1~2本のペースで1996年に渥美が亡くなるまでこのシリーズ48作品をつくり続け、松竹の屋台骨を支えながら日本の代表的監督となる。その間、『家族』(1970)、『幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ』(1977)、『遙(はる)かなる山の呼び声』(1980)、『キネマの天地』(1986)、『息子』(1991)、『学校』(1993)など、松竹映画の伝統を受け継いだ良質のドラマを生み出している。2002年(平成14)より時代劇作品も手がけ、『たそがれ清兵衛』(2002)は海外からも注目された。2003年から横綱審議会委員を務める。2004年文化功労者。
[品田雄吉]
二階の他人(1961)
下町の太陽(1963)
馬鹿まるだし(1964)
いいかげん馬鹿(1964)
馬鹿が戦車でやって来る(1964)
霧の旗(1965)
運が良けりゃ(1966)
なつかしい風来坊(1966)
九ちゃんのでっかい夢(1967)
愛の讃歌(1967)
喜劇 一発勝負(1967)
ハナ肇の一発大冒険(1968)
吹けば飛ぶよな男だが(1968)
喜劇 一発大必勝(1969)
男はつらいよ(1969)
続男はつらいよ(1969)
男はつらいよ 望郷篇(1970)
家族(1970)
男はつらいよ 純情篇(1971)
男はつらいよ 奮闘篇(1971)
男はつらいよ 寅次郎恋歌(1971)
男はつらいよ 柴又慕情(1972)
故郷(1972)
男はつらいよ 寅次郎夢枕(1972)
男はつらいよ 寅次郎忘れな草(1973)
男はつらいよ 私の寅さん(1973)
男はつらいよ 寅次郎恋やつれ(1974)
男はつらいよ 寅次郎子守唄(1974)
男はつらいよ 寅次郎相合い傘(1975)
同胞(はらから)(1975)
男はつらいよ 葛飾立志篇(1975)
男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け(1976)
男はつらいよ 寅次郎純情詩集(1976)
男はつらいよ 寅次郎と殿様(1977)
幸福の黄色いハンカチ(1977)
男はつらいよ 寅次郎頑張れ!(1977)
男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく(1978)
男はつらいよ 噂の寅次郎(1978)
男はつらいよ 翔んでる寅次郎(1979)
男はつらいよ 寅次郎春の夢(1979)
遙かなる山の呼び声(1980)
男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花(1980)
男はつらいよ 寅次郎かもめ歌(1980)
男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎(1981)
男はつらいよ 寅次郎紙風船(1981)
男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋(1982)
男はつらいよ 花も嵐も寅次郎(1982)
男はつらいよ 旅と女と寅次郎(1983)
男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎(1983)
男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎(1984)
男はつらいよ 寅次郎真実一路(1984)
男はつらいよ 寅次郎恋愛塾(1985)
男はつらいよ 柴又より愛をこめて(1985)
キネマの天地(1986)
男はつらいよ 幸福の青い鳥(1986)
男はつらいよ 知床慕情(1987)
男はつらいよ 寅次郎物語(1987)
ダウンタウンヒーローズ(1988)
男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日(1988)
男はつらいよ 寅次郎心の旅路(1989)
男はつらいよ ぼくの伯父さん(1989)
男はつらいよ 寅次郎の休日(1990)
息子(1991)
男はつらいよ 寅次郎の告白(1991)
男はつらいよ 寅次郎の青春(1992)
学校(1993)
男はつらいよ 寅次郎の縁談(1993)
男はつらいよ 拝啓 車寅次郎様(1994)
男はつらいよ 寅次郎紅の花(1995)
学校Ⅱ(1996)
虹をつかむ男(1996)
男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇(1997)
虹をつかむ男 南国奮斗篇(1997)
学校Ⅲ(1998)
十五才 学校Ⅳ(2000)
たそがれ清兵衛(2002)
隠し剣 鬼の爪(2004)
武士の一分(2006)
母べえ(2007)
シネマ歌舞伎 人情噺(ばなし) 文七元結(ぶんしちもっとい)(2008)
シネマ歌舞伎 連獅子(2008)
おとうと(2010)
京都太秦(うずまさ)物語[阿部勉との共同監督](2010)
東京家族(2013)
『『山田洋次作品集』全8巻(1979~1980・立風書房)』▽『吉村英夫著『山田洋次の世界』(1984・シネ・フロント社)』▽『嶋田豊著『山田洋次の映画』(1993・シネ・フロント社)』▽『吉村英夫著『山田洋次「学校」が語りかけるもの』(1998・かもがわ出版)』▽『山田洋次他著『男はつらいよ大全』(2002・中央公論新社)』
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
…《寅さん》シリーズとも呼ぶ。1969年の第1作以来,監督は山田洋次,主演は渥美清。シリーズとして世界最長記録である。…
…例えば木下恵介は,《お嬢さん乾杯》《破れ太鼓》(ともに1949)などの風俗喜劇や,《カルメン純情す》(1952)などの風刺喜劇に才腕をふるったが,作家論的にはむしろ《二十四の瞳》(1954)などの〈抒情映画の名匠〉として評価されることになる。このことは,結局,戦後の喜劇映画で最後に残ったのが,山田洋次の,ハナ肇主演のいわゆる《馬鹿》シリーズから,渥美清主演の《男はつらいよ》シリーズに至る一連の〈無知で気のいい男の悲喜劇〉という人情路線であることからも立証されよう。【森 卓也】。…
※「山田洋次」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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