朝日日本歴史人物事典 「黒田正郡」の解説
黒田正郡
生年:天保12(1841)
幕末明治期の剣術家。富山藩士。通称寛。竜心斎と号す。家伝の民弥流居合術,駒川改心流剣術,四心多久間四代見日流柔術,椿木小天狗流棒術などを父の黒田正好に学び,宗家を受け継ぐ。富山の地にあったため,その武名が広く知られることはなかったが,若いころ東京で榊原鍵吉に手合わせを望み,鍵吉が立ち合わなかったほどに技量は卓越していた。長男の正義,次男の泰治は共に武術にすぐれ,昭和の剣聖といわれた中山博道(1872~1958)も泰治の居合を鑽仰したとされる。<参考文献>黒田鉄山『剣術精義』
(甲野善紀)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報