日本大百科全書(ニッポニカ) 「黒田長禮」の意味・わかりやすい解説
黒田長禮
くろだながみち
(1889―1978)
動物学者。旧福岡藩主の家系、黒田長成(ながしげ)(1867―1939)の長男として東京で生まれる。1915年(大正4)に東京帝国大学理科大学動物学科を卒業し、同大学院を経て動物学の研究生活に入る。鳥類、哺乳(ほにゅう)類など陸生動物のほか、海獣類、魚類など海産動物まで幅広く研究活動をし、晩年まで分類学、生態学を中心とした多くの論文および著作物を著し、動物学の発展と啓蒙(けいもう)に功績を残した。一方、日本鳥学会、日本哺乳動物学会をはじめ各種学術団体の指導者として、各分野の研究者の育成にも貢献。主著に『雁(がん)と鴨(かも)』『世界のオウムとインコ』『世界のオウムとインコの図鑑』『世界のシャコとウズラ』などがある。鳥類学者の黒田長久(ながひさ)(1916―2009)は長男。
[松山資郎]