黒種(読み)クロダネ(英語表記)hibernating silkworm egg

デジタル大辞泉 「黒種」の意味・読み・例文・類語

くろ‐だね【黒種】

蚕の越年卵。前年採種して冷蔵保存し、飼育期に取り出すもの。色が紫褐色になるところから、淡黄色生種なまだねに対していう。

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精選版 日本国語大辞典 「黒種」の意味・読み・例文・類語

くろ‐だね【黒種】

〘名〙
① 黒い種子。
② 蚕の越年卵。前年夏秋期に採種して冷蔵しておき、飼育期に至って取り出すもの。この種は生種(なまだね)の黄色に対して、紫褐色に変わることからこの名がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黒種」の意味・わかりやすい解説

黒種
くろだね
hibernating silkworm egg

越年する蚕卵のこと。1化性の蚕はすべて着色する黒種を産み,2化性蚕の卵は高温光線を当てて保護すると,孵化してくる蚕は蛾になって黒種を産み,逆に低温暗催青をすると着色しない生種を産む。産下直後の黒種は生種のように黄色であるが,漿液膜に時間とともにトリプトファン系の色素を次第に沈着し紫褐色となるのでこの名がある。生種よりも黒種の蚕のほうが繭質がすぐれているので,現在では黒種のみ生産し,生種の代りに人工孵化によって不越年卵を製造している。

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