普及版 字通 「黔」の読み・字形・画数・意味
黔
16画
[字訓] くろい・あさぐろ
[説文解字]
[字形] 形声
声符は今(きん)。〔説文〕十上に「黎(れい)なり」とし、「秦は民を謂ひて黔首(けんしゆ)と爲す。色なるを謂ふなり。は之れを黎民(れいみん)と謂ふ」と補足している。〔泰山刻石〕に「黎庶(れいしよ)」、〔史記、李斯伝〕に「面目黎」とあり、黎に黎黒の意がある。〔史記、秦始皇紀〕に「二十六年、(あらた)めて民に名づけて黔首と曰ふ」とみえ、前からあった語を、このとき以来公称としたのであろう。
[訓義]
1. くろい、顔色がくろい、あさぐろ。
2. くろくなる、すすける、くろむ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕黔 クロシ 〔字鏡集〕黔 キクロ・クロシ・クロカナリ
[語系]
黔gym、黥gyangは声義近く、黥(げい)は入墨をいう。黔首とは、ほとんど蔑称に近い語であろう。
[熟語]
黔▶・黔愚▶・黔細▶・黔首▶・黔庶▶・黔竃▶・黔突▶・黔雷▶・黔落▶・黔黎▶・黔驢▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報