鼓索神経(読み)こさくしんけい(その他表記)chorda tympani

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鼓索神経」の意味・わかりやすい解説

鼓索神経
こさくしんけい
chorda tympani

舌の前のほうにある味蕾に分布して,この部分を支配する神経顔面神経管の下端近くで顔面神経から分岐して,中耳の鼓室を通って前方に達し,側頭下窩で舌神経に合流する。このため,顔面神経麻痺が起きたり,中耳の手術でこのルートの神経が傷つけられると,味覚に異常が生じる。また鼓索神経は舌神経の途中から分れて顎下腺舌下腺に分布し,唾液分泌にも関与している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の鼓索神経の言及

【中耳】より

…こうした空間の中にいくつかの構造物がある。外側にある鼓膜の振動を内側の内耳に伝える三つの耳小骨(外から内へそれぞれ,つち骨,きぬた骨,あぶみ骨と呼ぶ),内側の骨壁に走る顔面神経,さらにこの枝で舌の前方2/3の味を感知する鼓索神経が耳小骨の間を走る。また,小さな2個の筋肉が鼓室の内側にあり,耳小骨について強大音で収縮し,内耳に対する保護作用をもつと考えられている。…

※「鼓索神経」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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