普及版 字通 「啖(漢字)」の読み・字形・画数・意味
啖
11画
[字訓] くらう・かむ
[説文解字]
[字形] 形声
声符は炎(えん)。炎に淡・談(たん)の声がある。〔説文〕二上に「(か)み啖(く)らふなり」とあり、貪るように食らうことをいう。〔論衡、論死〕に「敗亂のとき、人相ひ啖す」とあり、漢代の史書に、人が相啖らうことがしばしば記されている。啖は勢いよく舌を鳴らして食らう意の擬声語。歯切れのいい調子でみえをきることを、啖呵という。
[訓義]
1. くらう、むさぼりくらう、舌をならしてくらう。
2. かむ。
3. あざむく、くわせる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕啖 クラフ・ハム・イフ・スフ・フフム 〔字鏡集〕啖 スフ・クラフ・ネブル・クフ・ハム・アタフ・フクム
[語系]
啖・餤・談damは同声。啖・餤(たん)は啖食、談は言説のとき、強く舌をうごかす擬声語である。
[熟語]
啖呵▶・啖囓▶・啖咋▶・啖嚼▶・啖嘗▶・啖食▶・啖噬▶・啖啖▶
[下接語]
健啖・虎啖・啖・食啖・啖
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報