鞘走る(読み)サヤバシル

デジタル大辞泉 「鞘走る」の意味・読み・例文・類語

さや‐ばし・る【×鞘走る】

[動ラ五(四)]
刀身が自然に鞘から抜け出る。
下人はそこで、腰にさげた聖柄ひじりづか太刀が―・らないように気をつけながら」〈芥川羅生門
出過ぎたことをする。さきばしる。
「まだ―・った事を言ふ」〈鷺流狂・末広がり

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鞘走る」の意味・読み・例文・類語

さや‐ばし・る【鞘走】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙
  2. 鞘の口がゆるくて、刀の柄(つか)が下を向いたときなどに、刀身がひとりでに鞘から抜け出る。
    1. [初出の実例]「童子二人戯て取合処、一人刀鞘走て腹に当云々」(出典:満済准后日記‐永享四年(1432)一〇月二九日)
  3. 出すぎたまねをする。また、行きすぎた口をきく。さきばしる。
    1. [初出の実例]「円悟の口がさやばしって、久参請益と云也」(出典:無刊記刊本碧巖鈔(1620‐40頃)一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

選挙公営

国または地方公共団体が個々の候補者の選挙費用の一部または全額を負担すること。選挙に金がかかりすぎ,政治腐敗の原因になっていることや,候補者の個人的な財力によって選挙に不公平が生じないようにという目的で...

選挙公営の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android