1種農家(読み)いっしゅのうか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「1種農家」の意味・わかりやすい解説

1種農家
いっしゅのうか

日本における農家分類の一つ。農家は,社会経済的な農業生産単位としての農家とそうでない農家とに大分類され,前者を1種農家,後者を2種農家と呼び,自家農業に専従する家族従事者を1人保有する経営規模をもって1種農家の下限としている。自家農業に 150日以上就業する家族員を1人保有するか否かの境は,保有する耕地都府県で 5a以上,北海道で 10a以上,経営面積はこれ以下でも,農産物の年間販売額が 10万円以上とする。ただしこの指標は価格変動によって浮動するので,次の物的規模指標によって代替する。 (1) 温室,ビニルハウスをもち農作物を栽培している,(2) 果樹,茶の栽培面積が 10a以上に及ぶ,(3) 乳牛1頭を飼養している,(4) 年間肉豚販売頭数 10頭以上のもの,(5) 年間肉鶏販売羽数 500羽以上のもの,(6) 採卵用成鶏雌鳥羽数 50羽以上のもの。2種農家は自営兼世帯,雇われ世帯,無業世帯の3つに区分されている。1種および2種農家を合せて全農家数の 90%以上にも及んでいる。しかし,この分類は「1970年センサス」以後は行われていない。

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