5ヵ年計画(読み)ごかねんけいかく(その他表記)five-year plan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「5ヵ年計画」の意味・わかりやすい解説

5ヵ年計画
ごかねんけいかく
five-year plan

国民経済の目標,それにいたる諸手段ならびに経済諸部門間の相互関係などを5ヵ年の長期の展望に立って国家が計画,指導,調整する経済体系。5ヵ年という期間は,基幹産業部門の工場建設に要する期間に合せて設定されたといわれる。社会主義のたてまえでは,生産手段は社会の所有であるから,経済発展が国家の統制によって計画的に遂行されることが必然的に予期されている。5ヵ年計画は,いわばこの法則性の1つの具体化である。ソ連で初めて 1928年から実施され,ある程度の実績を上げたことをはじめ,社会主義諸国で典型的な発展を示し,その国際的な調整もはかられている。資本主義のもとでは,個別資本の利潤追求が基本であるから,市場の自由競争と生産の無統制により計画は基本的に乱されるが,資本の独占化が進むにつれ,その利潤を守る意味からも国家によるなんらかの政治的統制が求められる。社会主義諸国の5ヵ年計画への反動としても,種々の長期計画が導入されているが,基本的に安定を欠き,長期予測という面が強い。

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