TMAO(読み)ティーエムエーオー

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「TMAO」の意味・わかりやすい解説

TMAO
ティーエムエーオー

トリメチルアミンオキサイド trimethylamine oxideの略称分子式は (CH3)3NO 。海産動物の体内に広く分布していて,ことにサメなど軟骨魚類の多くのものでは血液中に 100~120mmol (8~10 g/l ) の濃度に蓄積するが,尿中にはその 10分の1の濃度程度しか排出されない。尿素と同様に比較的毒性の低い,中性に近い窒素化合物なので,窒素排出の一形態と考えられるが,高濃度に蓄積している場合には,体液の浸透圧維持の補助役割をしていると理解される。陸生の生物では TMAOが問題になるほど蓄積している例は知られていない。

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世界大百科事典(旧版)内のTMAOの言及

【青肉】より

…日本では一般にマグロの青肉と呼ぶ。青肉の発現には,筋肉色素ミオグロビンと海産魚介類の筋肉中に普遍的に含まれるトリメチルアミンオキサイド(TMAO)が関与する。とくにTMAO含量の高いマグロが青肉になりやすく,ビンナガの場合,尾部肉100g当りのTMAO窒素が7~8mg以上のものは蒸煮後,青肉になることが経験的に知られている。…

※「TMAO」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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