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Xバンド・レーダー Xばんどれーだー/えっくすばんどれーだーX-band Radar

知恵蔵の解説

Xバンド・レーダー

波長2.5〜3.75cmの電波を用いるレーダーの総称。防空用レーダーや戦闘機搭載用レーダーの波長30〜100cmと比べ、高い分解能が得られ、目標を点としてではなく形として把握できる能力から、弾道ミサイル防衛システムの目標(ミサイルや弾頭)捕捉、弾頭とオトリとの識別、追尾、迎撃ミサイルの誘導に使用される。波長が短いために大気による減衰が大きく、遠方に到達させるには大出力が必要となる。米国が弾道ミサイル防衛(BMD)システム実験用にクエジェリン島に設置した型(地上配備型Xバンド・レーダー:GBR)は123平方メートルのレーダー面に8万1000個のレーダー素子を並べたフェーズド・アレイ型で、平均出力は170kWもある。4000kmの遠方で弾道ミサイルの弾頭の探知ができ、2000km以内なら実弾頭とオトリの識別が可能とされる一方、周辺環境への影響を懸念する声もある。GBRを石油リグ型のフロートに載せた洋上配備型SBR(Sea-Based Radar)はアラスカ沖に配備された。THAAD終端迎撃システム用レーダーTPY-2もXバンドを使用し、北朝鮮からの弾道ミサイルの早期探知と精密追尾のために06年6月に青森県の航空自衛隊車力分屯地に配備した。同型のレーダーは九州、沖縄、グアム島などへの追加配備も検討されている。また欧州方面ではチェコへの配備が計画されている。日本も防衛省技術研究本部がFPS-5と呼ぶXバンド早期警戒用レーダーを開発し、11年度までに4カ所のレーダーサイトに配備する。

(江畑謙介 拓殖大学海外事情研究所客員教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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