大学事典 「ATER」の解説
ATER[仏]
アテール
フランスの「教育研究補助員(フランス)」。所定の学位取得後に博士号を準備したり,大学の教員や研究員を目指す者が就く臨時職で,政令第88-654号で任期は3年,更新は1回限り1年と規定されている。職務内容は教員や研究員に準ずるもので,その役割は日本の助教からティーチング・アシスタント(TA)にわたる職務に似ている。ただし,日本のTA制度の運用が各大学の任意であるのに対して,フランスのATER制度は,フランスの高等教育・研究担当省が支援する公的な教育研究制度の一環として運用されており,研究奨学金やモニター奨励金の終了後も博士研究を続ける者への助成と位置づけられている。フランスにはポストドクター研究者に対する組織的な援助制度はないが,このATERの制度はすでに博士号を取得している者も応募できるようになっている。
著者: 松浦寛
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報