フランス民主労働総同盟Confédération fran-çaise démocratique des travailleursの略称。ただしConfédérationは〈連合〉と訳すのが適当である。CGT(セージェーテー),CGT-FOとともにフランス労働運動における三大勢力の一つ。前身は19世紀末に生まれたホワイトカラーのカトリック組合である。人民戦線やレジスタンス,さらにはアルジェリア戦争などの過程で,しだいに大衆化し階級化した。そして社会民主主義を奉ずる新しい世代が執行部を握り,1964年CFTC(フランス・キリスト教労働同盟)は〈キリスト教〉を外して現在の名称を名のるにいたった。その後68年5月を機に自主管理社会主義を基本理念に定め,その後の新生社会党の理論形成に大きな影響を与えた。これまでの伝統的労働運動の枠を越えた文化的・思想的色彩の濃い立場に立ち,かつ実践面では現実的姿勢をとる。組合員60万人(1991)のうち現場労働者,事務労働者,管理職がそれぞれ1/3ずつ,女性4割である。国際自由労連(ICFTU)に加盟。
執筆者:長部 重康
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…第2次大戦後の労働組合運動再建には,戦線を統一してドイツ労働総同盟(DGB(デーゲーベー))が結成され,55年にザール地区を中心に勢力を盛り返したが,現在も少数派にとどまっている。フランスでは,有力なフランス・キリスト教労働総同盟(CFTC,1919設立)が64年に〈組織の世俗化〉をめざしてフランス民主労働総同盟(CFDT(セーエフデーテー))と改名し(一部はそのまま残った),その組織と行動力を高め,77年には旧キリスト教系の国際労連(WCL)と手を切るに至った。イタリアでは旧キリスト教系労働組合と合体したCISL(イタリア労働組合同盟)が国際自由労連に加盟し,傘下の一部ACLI(イタリア・カトリック労働者協会)が国際労連の特別加盟にとどまるだけである。…
…これにはフランス,イタリア,スペインなど南西ヨーロッパ諸国の組合が該当する。ナショナル・センターがイデオロギーにより分裂しており(たとえばフランスでは労働総同盟CGT(セージエーテー),労働総同盟・労働者の力CGT‐FO(セージエーテーエフオー),民主労働連盟CFDT(セーエフデーテー),イタリアでは労働総同盟CGIL,労働者組合総同盟CISL,労働総連合UILのように),共産主義を志向する組合が有力な地位を占めている(たとえばCGTやCGILは世界労連に加盟している)。これらの上部団体は産業別組織原則を方針として掲げているが(フランスでは1906年のアミアン憲章ですでに産業別組織原則がとられた),実際には傘下に古い手工的熟練労働者metierタイプの組合も残っており,産業別の統一はそれほど進んでいない(ただしイタリアでは1973年以降,三大労組の間に共闘体制が組まれ組織の統一への動きがみられる)。…
※「CFDT」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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