企業が倒産し、民事再生法に基づいた手続き開始後に、旧経営陣に経営を任せつつ、新たな資金を融資すること。「Debtor in Possession(占有を継続する債務者)」を略してDIPとよばれている。アメリカでは、国が金融機関のDIPファイナンスを奨励しているため、破産後、再生手続きに入った企業に対して盛んに融資が行なわれている。他方、日本では国によるDIPファイナンスへのサポートがないため、不良債権を持つリスクを負いたくない金融機関は総じて融資に消極的であった。そのため、DIPファイナンスは政府系金融機関が主に行なってきた事情がある。近年は金融機関の不良債権処理がヤマを超えた中、一般の金融機関によるDIPファイナンスも徐々に増えつつある。