大学事典 「ERATO」の解説
ERATO
エラトー
CRESTや「さきがけ」と同様に,科学技術振興機構(JST)が行う戦略的創造研究推進事業のプログラムの一つ。他薦を原則とする公募で選任された研究総括(プログラムオフィサー)が,政策課題の解決と新技術の創出に資する研究領域について,分野や機関を超えた機動的・時限的な研究組織を編成し,直接指揮することで研究計画を推進する仕組みを採用している。個別の研究課題を公募して実施する同事業の「さきがけ」やCRESTとは,課題解決を目指したトップダウン型の基礎研究である点で共通するが,「さきがけ」やCRESTでは研究総括がJSTにより指名されるのに対し,ERATOでは一般研究者の推薦公募により選出されるという点で大きく異なっている。なお,実際の研究は個々の研究者やグループの所属する機関で実施されるため,バーチャルな研究組織である。産学官の優れた研究者の機関を超えた連携と独創的な技術シーズの開拓を図るという科学技術会議の答申に基づき,1981年に創設された創造科学技術推進事業を源流とし,2002年に同事業が発展的解消されて,現在の形となった。
著者: 榎孝浩
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報