ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「FK-506」の意味・わかりやすい解説 FK-506エフケーごひゃくろく 筑波山麓の土壌中の放線菌から単離された免疫抑制剤。免疫抑制剤は一般に,自己免疫疾患やアレルギーの治療に用いられてきたが,近年では,臓器移植時の拒絶反応を阻止するために不可欠の薬剤として注目を集めている。従来,シクロフォスファミド,アザチオプリン,メトトレキサート,シクロスポリンなどが用いられてきたが,これら免疫抑制剤は正常の免疫機能をも低下させるほか,骨髄機能の抑制のような重篤な副作用を起すことが知られている。その意味から,この FK-506はシクロスポリンの数十倍から百倍近い免疫抑制効果をもつにもかかわらず副作用の少ないことが報告されており,期待の大きい薬物となっている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by