化学辞典 第2版 「L-トレオニン」の解説
L-トレオニン
トレオニン
L-threonine
(2S,3R)-2-amino-3-hydroxybutanoic acid.C4H9NO3(119.12).略号ThrまたはT.タンパク質構成必須アミノ酸として,また遊離の状態で,動物,植物界に広く分布している.絹セリシンの加水分解物から銅塩として分離できる.発酵法によってもつくられる.2個の不斉炭素原子があり,天然型のL-トレオニンのほか3種類の立体異性体がある.L-トレオニンは分解点255~257 ℃.-28.3°(水).pK1 2.71,pK2 9.62.等電点pI6.16.水に易溶,有機溶媒に不溶.甘味があり,栄養剤として用いられる.DL-トレオニンはアセト酢酸エステルをα-ヒドロキシイミノ化してから還元する方法,グリシン銅にアセトアルデヒドを反応させる方法で合成される.融点227~229 ℃.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報