知恵蔵 「LTTE」の解説 LTTE スリランカの少数派、タミル人が分離独立を掲げて構成する武装組織。同国には、古くから北部、東部を中心に住んできた「スリランカ・タミル人」と、紅茶農園の労働者として19世紀に英国が呼び寄せた「インド・タミル人」が中央部に集まっている。LTTEは前者の流れをくみ、古来から住む民族として自治の権利を主張している。北部のキリノッチを中心にするLTTE支配地域では、独自の警察、裁判所、通行税などの税制を持つ。時刻もスリランカ時間とは30分の時差を設けるなど「独立国」のような体裁を保っている。戦闘では自爆テロなどのゲリラ戦術を得意としてきた。しかし、2004年3月、最高指導者プラバカラン議長が率いる主流派に対し、東部部隊のカルナ大佐の分派が離脱。両派の間で交戦が起き、多数の負傷者を出した。総勢約9000人とされたLTTEからカルナ派(約5000人)が分かれたことで、LTTEの兵力は衰えている。 (竹内幸史 朝日新聞記者 / 2007年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報