ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「NATO二重決定」の意味・わかりやすい解説 NATO二重決定ナトーにじゅうけっていdual decision of NATO 1979年 12月 12日に北大西洋条約機構 NATO理事会が行なった,ヨーロッパの核軍縮を進めるために核兵器を配備するという,二重性を有する決定。 72年,ソ連は命中精度がすぐれ,ヨーロッパ全域をその射程内におさめうる SS20の配備を開始した。これによって戦力バランスがソ連側に有利になったとみた NATO側は,これに対抗してアメリカ製中距離核戦力 INFを NATO諸国に配備する計画を発表,配備決定と同時に INF廃棄に関する交渉を開始するとの二重決定を行なった。これに基づき 83年 11月 22日,西ドイツ議会はアメリカ製パーシング IIの国内配備を決定,23日に配備を開始した。ソ連側はただちに INF廃棄交渉の無期限中断を通告,交渉は 85年3月まで再開されなかった。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by