コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

田沼武能 たぬま たけよし

2件 の用語解説(田沼武能の意味・用語解説を検索)

デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

田沼武能 たぬま-たけよし

1929- 昭和後期-平成時代の写真家。
昭和4年2月18日生まれ。木村伊兵衛にまなぶ。昭和26年「芸術新潮」嘱託となり,のちフリー。「すばらしい子供たち」や「遊べ子供たち」などで54年モービル児童文化賞,60年菊池寛賞。30年間に110以上の国をまわり子供たちをとる。平成7年母校東京工芸大の教授。15年文化功労者日本写真家協会会長。写真集はほかに「東京の中の江戸」など。東京出身。

出典|講談社 この辞書の凡例を見る
(C)Kodansha 2015.
書籍版「講談社 日本人名大辞典」をベースに、項目の追加・修正を加えたデジタルコンテンツです。この内容は2015年9月に更新作業を行った時点での情報です。時間の経過に伴い内容が異なっている場合がございます。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

田沼武能
たぬまたけよし
(1929― )

写真家。東京・浅草に生まれる。家業が営業写真館であったため、写真には子供の時分から親しんでいた。東京写真工業専門学校(現東京工芸大学)に進み、1949年(昭和24)の卒業と同時にサンニュースフォトスにスタッフカメラマンとして入社する。この会社は名取洋之助が責任編集する『週刊サンニュース』を発行していたが、田沼が入社したのはちょうど『週刊サンニュース』が廃刊になったばかりのころだった。名取は翌年に『岩波写真文庫』を立ち上げる準備のために社を辞していたし、それまで写真を撮っていた薗部澄(そのべきよし)(1921―96)らも引き抜いていたため、田沼は半ば傾きかかった会社の補充スタッフだった。しかし田沼の写真家人生に大きな意味をもつことになる、サンニュースフォトスの写真顧問をしていた木村伊兵衛(いへえ)にここで出会うことができたのである。
 会社の仕事が少なかったことも幸いして、憧れていた木村の助手を兼務するようになる。仕事の撮影だけでなく、木村が浅草などに写真を撮りに行くときも同行した。木村の助手とカメラマンとの二重生活は、その後3年間続くことになるが、51年には木村の紹介で、創刊されて間もない『芸術新潮』の嘱託カメラマンとなる。毎号ほとんど1冊まるごと写真を撮る忙しさであったが、『文芸春秋』『婦人公論』『婦人画報』『新潮』など各誌のグラビアの仕事などがこれに重なった。『芸術新潮』では「芸術院会員の表情」の連載もあり、多くの画家や小説家などの写真を撮る。この連載の写真をまとめて、最初の写真展「芸術院会員の顔」(1954、松屋、東京・銀座)を開催する。これ以降、画家や小説家にとどまらず、学者や俳優、さまざまの分野のエキスパートなど、幅広く人物撮影に手腕を発揮していくようになる。
 1959年にはサン通信社(前身はサンニュースフォトス)と『芸術新潮』の嘱託を辞してフリーランスとなる。雑誌の仕事はさらに多忙となったが、65年にはタイムライフ社の契約写真家となって『ライフ』『フォーチュン』などの仕事をするようになり、72年まで継続される。ライフワークである「世界の子供」の撮影を始めたのも、ちょうどタイムライフ社と契約したころからである。このシリーズは写真集『すばらしい子供たち』(1975)としてまとめられ、その後も数多くの写真集になっている。『遊べ子供たち』(1978)、『世界の子供たちは、いま』(1979)などが出版され、79年には写真展「日本の子供たち」が世界各国を巡回した。
 受賞歴も多く、1975年に日本写真協会年度賞、79年にモービル児童文化賞、88年と94年(平成6)にも重ねて日本写真協会年度賞、85年に菊池寛賞受賞、90年に紫綬褒章受章。2003年文化功労者。1984年からは黒柳徹子(1933― )のユニセフ・キャンペーンに毎年同行している。95年東京工芸大学写真学科教授、同年日本写真家協会会長に就任。2000年に出版した『人間万歳』は、半世紀にわたって延べ10万人以上も撮ったという、自然体の瞬間を撮り続けた人物写真の集大成である。[大島 洋]
『『武蔵野』(1974・朝日新聞社) ▽『すばらしい子供たち』(1975・朝日新聞社) ▽『遊べ子供たち』(1978・朝日新聞社) ▽『世界の子供たちは、いま』(1979・形象社) ▽『文士』(1979・新潮社) ▽『アンデス讃歌』(1984・岩波書店) ▽『アトリエの101人』(1990・新潮社) ▽『地球星の子どもたち』(1994・朝日新聞社) ▽『ぼくたち地球家族』(1994・講談社) ▽『トットちゃんが出会った子どもたち』(1996・岩波書店) ▽『下町今昔物語』(1996・新潮社) ▽『日本の写真家29 田沼武能』(1998・岩波書店) ▽『人間万歳』(2000・クレオ) ▽岡井耀毅著『瞬間伝説』(1994・KKベストセラーズ)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

田沼武能の関連キーワード中平卓馬熊切圭介白川義員須田一政田原桂一冨成忠夫早崎治樋口健二松本徳彦山崎博

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

田沼武能の関連情報