最新 地学事典 「U-U法」の解説
ウランウランほう
U-U法
uranium-uranium method
ウラン壊変系列に属する238Uと234Uが,放射平衡にない系の中から一部が分離されると,新しい系の中の238Uと234Uは時間の経過とともにしだいに放射平衡に近づくことを利用して,系の分離後の年代を決定する方法。最初,234Uと238Uの放射能比A234U/A238U=R0のウランがあり(A:activity=存在量×壊変定数),その後ウランの出入りがないとすれば,t年後のA234U/A238U=Rt=1+(R0-1)・e-λt(λ:234Uの壊変定数)。天然水中のウランが放射平衡(A234U/A238U=1)にあることはまれである。海水中のウラン同位体含量はほぼ均一であるが,234Uと238Uは非平衡状態(A234U/A238U≅1.15)であり,海水中で生成した炭酸塩および深海底堆積物の年代を上式を用いて決定できる。RtおよびR0を十分小さな誤差で測定することが困難であることと,RtとR0の差が大きくないために年代決定の誤差が大きい欠点はあるが,原理的に誤差の入る原因が少なく,他に有効な方法のない105~106年の年代測定ができる利点がある。参考文献:D.L.Thurber(1962) J.Geoph.Res.,Vol.67
執筆者:安島 忠秀
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

