Web119(読み)うぇぶいちいちきゅう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「Web119」の意味・わかりやすい解説

Web119
うぇぶいちいちきゅう

聴覚や言語機能に障害があるなど通常会話がむずかしい人向けに、携帯電話のインターネット機能を使って緊急の事故や急病災害などといった119番通報をする仕組み。「うぇぶひゃくじゅうきゅう」とも読む。利用者は自治体などに事前に登録すれば、緊急時に数回ボタンを押すだけで、24時間いつでも救急車消防車をよぶことができる。事前登録した自宅などのほか全地球測位システムGPS)がついた携帯電話を使えば、外出先でも自動的に自分の位置を伝えることができる。消防本部は画面上で住所氏名などを確認できる。

 2003年(平成15)に愛媛県松山市が初めて導入し、2010年末時点で横浜市、京都市、川崎市、静岡市など全国で15を超える自治体がサービスを提供、その後も兵庫県尼崎市、伊丹市宝塚市など多くの自治体が導入している。京都市のように、観光で訪れる聴覚障害者向けに観光情報を提供する自治体もある。しかし導入自治体でも実際に使っている障害者はごく一部に限られている例が多く、制度の周知徹底課題となっている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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