コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

聴覚 ちょうかく audition

翻訳|audition

6件 の用語解説(聴覚の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

聴覚
ちょうかく
audition

ある範囲内の周波数の音波が鼓膜に作用し,その興奮が聴神経を経て大脳皮質聴覚中枢に伝えられることによって生じる感覚をいう。音波が耳に入ると鼓膜の振動が起る。この振動は中耳を経て内耳の蝸牛にある基底板および有毛細胞に伝わり,有毛細胞が興奮する。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

ちょう‐かく〔チヤウ‐〕【聴覚】

音を感じる感覚。空気中の音波の刺激を受けて生じ、発音する脊椎動物と昆虫にのみ発達。哺乳類では外耳から入った音が鼓膜耳小骨などを経て感覚神経に伝えられる。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

聴覚【ちょうかく】

音波に対する感覚。主として昆虫,脊椎動物に発達。昆虫には聴覚器官としての鼓膜器官が発達する。人間では外耳から入った音波は鼓膜,耳小骨を振動させ,内耳のリンパ,さらに基底膜を介してコルチ器の有毛細胞を興奮させ,これによって生じた蝸牛(かぎゅう)神経の神経興奮が中枢に伝わり聴覚が生起する。
→関連項目人工内耳内耳

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

世界大百科事典 第2版の解説

ちょうかく【聴覚 audition】

ある範囲の周波数の音の刺激によって生じる感覚で,視覚が利用できない暗やみや森林,草むらの中で生活する動物にとっては,遠く離れた周囲の状況を知るのに重要な感覚である。例えば動物は,迫ってくる危険を避けたり,種内の交信,雌雄の求愛,交尾などに聴覚を利用する。 聴覚が発達した動物の一つに昆虫が挙げられる。昆虫のうち,直翅(ちよくし)類のキリギリスコオロギバッタやセミ類のように発音する昆虫では,同種個体間の交信に聴覚が用いられるが,ヤガやカゲロウなどでは,コウモリから逃れるためにコウモリの出す音を聞き分けている。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

ちょうかく【聴覚】

音を感じる感覚。昆虫類と脊椎動物にみられ、後者のうち鳥類・哺乳類では、音波が鼓膜を振動させることに始まり、内耳の渦巻管に達することで生じる。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

聴覚
ちょうかく

聴覚は音響刺激によっておこる感覚であって、音響を媒介として、身体より隔たったところのできごとを認知することができる。音響は空気の疎密波であり、外耳、中耳はこの音波を内耳に伝導するための装置である。普通、音波は外耳、中耳を経て内耳に達する(これを空気伝導という)。これに対し、空気の振動が頭蓋骨(とうがいこつ)を経て直接内耳に伝えられるのを骨伝導(こつでんどう)という。聴覚の受容器は、内耳の蝸牛(かぎゅう)にある聴細胞である。[市岡正道]

聴覚系を構成する諸器官

(1)耳介・外耳道 俗に耳ともよばれる耳介は、音波を集める働きをしている。また、外耳道は耳介と鼓膜との間にある空間で、音波の強さを減ずることなく、それを鼓膜に伝える。ウマ、イヌ、ネコなどでは、音波刺激によって反射的に耳介を音源の方向に向ける。これをプライヤーの反射〔ドイツの生理学者・心理学者W. T. Preyer(1841―97)にちなむ〕という。
(2)鼓膜 鼓膜は中耳側にくぼんで張られた漏斗(ろうと)状の膜(厚さ約0.1ミリメートル)である。形状は不整な円形をなし、その緊張も不均一である。さらに中耳側にはツチ骨柄が付着している。こうした形状のため、鼓膜は固有振動数をもたない膜として、広い範囲の振動数の外来音波に対して均等に共振できることとなる。
(3)耳小骨 鼓膜の内方には3個の耳小骨(ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)が関節で連結し、全体として一つの角槓杆(かくこうかん)をなしている。鼓膜の振動は、耳小骨によって、音圧が約20倍に増強されて卵円窓に伝えられる(図A)。
(4)耳管 耳管は中耳腔(くう)と鼻咽頭(びいんとう)を連結しているが、通常は閉じている。しかし、嚥下(えんげ)、そしゃく、あくびなどのときには開き、鼓膜内外の気圧を等しくし、鼓膜の振動を容易にする。
(5)蝸牛 ヒトの蝸牛は螺旋(らせん)状に2回と4分の3回転した管で、基底膜と前庭膜とによって、蝸牛の全長にわたって3階〔前庭階、蝸牛管(中央階)、鼓室階〕にくぎられている。前庭階と鼓室階は外リンパに満たされ、蝸牛管は内リンパに満たされている。基底膜の上には、有毛細胞(聴受容器)を主としたコルチ器(ラセン器)がある。卵円窓に伝えられた振動は、蝸牛頂→鼓室階→正円窓と伝わり、最後には中耳に出るが、この間に基底膜を振動させる。このため、コルチ器の有毛細胞が興奮し、その興奮は蝸牛神経によって中枢に伝えられる(図B)。二次ニューロンは中脳の蝸牛神経核よりおこり、下丘→視床内側膝状体(しつじょうたい)→大脳聴覚領に達している。卵円窓の振動は前庭階の外リンパを振動させるが、これは基底膜に沿って縦方向に進行する外リンパの波を発生させる。この進行波は、低音ほど蝸牛頂に近いところに、また、高音ほど蝸牛頂に遠いところに振幅の最大がみられる。このようにみると、音の高低は蝸牛で解析されていることがわかる。[市岡正道]

感覚としての音

感覚としてわれわれが感受する音は、純音、楽音、騒音に分けられる。純音とは倍音を含まない音(たとえば音叉(おんさ)の音)であり、楽音とは基音と倍音との合成音であり、しかも、音波が反復するというパターンを示す。これに対し、騒音では音波が非周期的であり、反復しない形となる。騒音の強さをデシベル(dB、後述)で表すと、ささやき・20dB、会話・60dB、交通量の激しい所・80dB、走行中の地下鉄・100dB、耳に痛みを感じる音・140dB、飛行中のジェット機・160dBといわれている。
 音には大きさ(強さ)、高さ(調子)、音色という三つの性質がある。大きさは音波の振幅と、高さは音波の振動数とそれぞれ関係をもっている。すなわち、だいたいにおいて振幅が大きいほど音は大きく、振動数が多いほど音は高くなる。これらに対し、音色は、その音に含まれている上音の含まれ方によって決められるものである。
 音の強さと振動数とを変数としたとき、音の聞こえる範囲を「聴野」という。ヒトは約20ヘルツから約2万ヘルツまでの音を聞くことができ、最低の聴覚閾値(いきち)は、主言語の振動数帯である約200ヘルツから約3000ヘルツの間にあることがわかる。また、音波があまり強いときには、痛さを感じる。さまざまな振動数をもつ純音をイヤホンを通じて聞かせ、その閾値を正常者の閾値のパーセントとして描かれたグラフを聴力図(オーディオグラム)といい、このための装置を聴力計(オーディオメーター)という。
 音波の圧力で示された音の強さ(S)は、普通、デシベル(dB)単位で表される。すなわち、S0を閾値の強さとすると、Sは20logSデシベルとなる。S=S0のときは0dBであり、したがって閾値の強さも0dBということになる。なお、閾値の強さS0は、
  S0=0dB=0.000204dyne/cm2
と決められている。
 高低2音が耳に入るとき、低音によって高音は聞こえにくくなる。これを「音の隠蔽いんぺい(マスキング)」という。大脳皮質の聴覚領では、音の調子を感受する部位が一定の配列をなしている。それは、ちょうど蝸牛を聴覚領の上に広げたような配列となっており、低音は前外方で、高音は後内方で感受されるようになっている。また、音源の位置や方向の認知は、音波が両耳に到達する時間差、その結果としての両耳における音波の位相差、および、音源に近いほうの耳では音が大きく聞こえることなどが総合されて初めて可能となる。[市岡正道]

動物の聴覚

聴覚は振動覚の一種である。聴覚以外の振動覚や平衡覚など、他の機械的感覚に関係する受容器は、動物界に広く分布する。これと対照的に、聴覚器は脊椎(せきつい)動物と節足動物に知られているにすぎず、比較的遅れて進化した受容器と考えられている。節足動物、とくに昆虫類に発達した聴覚器には、空気や水の動きを直接受容するものと、圧受容器として音圧を受容するものとがある。ゴキブリの尾毛のような触毛(または聴毛)や、ハエやカなど多くの昆虫の触角にあるジョンストン器官は前者に属する。昆虫の鼓膜器官は、表皮と気管壁からできた鼓膜をもった、音圧を受容する真の聴覚器であり、キリギリス、コオロギでは前肢に、バッタ、セミでは腹節に、ドクガ、ヤガでは後胸にある。ヤガの鼓膜器官は、天敵であるコウモリの発する超音波に反応する。脊椎動物の聴覚は、鳥類、哺乳(ほにゅう)類においてよく発達し、同種間の情報伝達のほかに、コウモリやイルカなどの反響定位に活用されている。[村上 彰]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の聴覚の言及

【中脳】より

…これらの働きは網膜に入った視覚の刺激が上丘や大脳皮質を経由して起こるものである。(3)視覚や聴覚の刺激による運動反射 これは目の前に飛んできた物体を反射的に避けたり,音の刺激の方向に反射的に頭を向けたりするときに役立っている。いずれも上丘に達した光や音のインパルスが,上丘から出る視蓋脊髄路により頸髄に伝えられることによって起こる。…

【耳】より

…脊椎動物の頭部にある有対の感覚器官で,平衡覚と聴覚をつかさどる。ふつう〈耳の形〉などというときには,哺乳類の頭の両側に突出した耳介を指すが,解剖学的にいえば耳には内耳,中耳,外耳の3部分が含まれる。…

※「聴覚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

聴覚の関連キーワード走査周波数結合音拘縮超低周波音般化ヘテロダイン閾下知覚バンドエリミネーションフィルターバンドパスフィルター音響フィルター

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

聴覚の関連情報