ケラマジカ(読み)けらまじか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケラマジカ」の意味・わかりやすい解説

ケラマジカ
けらまじか / 慶良間鹿
[学] Cervus nippon keramae

哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目シカ科の動物。ニホンジカの1亜種。沖縄には元来シカは生息していなかったが、古く薩摩(さつま)(鹿児島県)から移入したとの記録があり、それが長年月の間に小島繁殖を重ね、小形の亜種としての特徴を備えるようになったとみられる。慶良間列島の屋嘉比(やかび)島、慶留間(げるま)島、阿嘉(あか)島などに分布する。体格はニホンジカ中で最小で、記録された体長は雌で103~108センチメートルである。角(つの)は3尖(せん)で、角の内側に明瞭(めいりょう)なこぶ状の突起がある。1972年(昭和47)に国の天然記念物に指定された。

増井光子

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のケラマジカの言及

【慶良間列島】より

…沖縄海岸国定公園に含まれる両村へ那覇泊港から村営の定期船便があり,観光地化が進んでいる。また屋嘉比,慶留間,阿嘉の3島には天然記念物のケラマジカが生息する。【堂前 亮平】。…

【ニホンジカ】より

…尾の先は白色。典型的なものは本州,四国,九州に分布し,屋久島と沖縄県の慶良間(けらま)列島のものは小型で角が小さく,角の叉がふつう2個しかないので,それぞれ別亜種ヤクシカC.n.yakushimaeおよびケラマジカC.n.keramae(天然記念物)とされる。平地から標高2500mくらいまでの落葉樹林や常緑樹林などに多く見られる。…

※「ケラマジカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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