対艦ミサイル(読み)タイカンミサイル

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「対艦ミサイル」の意味・わかりやすい解説

対艦ミサイル
たいかんミサイル
anti-ship missile

水上艦艇や上陸用艦船を洋上で阻止するためのミサイル。地上ランチャー,艦艇,航空機,あるいはカプセルに入れて潜水艦から発射され,ジェットエンジンまたはロケット推進により,慣性誘導装置と電波高度計を用いて海面上低空をほぼ音速で飛行し,終末はアクティブレーダなどにより誘導されて艦艇に命中する。アメリカのハープーンや,フォークランド紛争で一躍有名となったエグゾセ (仏) が代表例である。日本は支援戦闘機搭載の 80式空対艦誘導弾 (ASM-1) ,内陸から揚陸艦船に発射する 88式地対艦誘導弾 (SSM-1) のほか,艦艇や対潜哨戒機から発射の対艦ミサイルも開発している。

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世界大百科事典(旧版)内の対艦ミサイルの言及

【軍艦】より

…他方,水上艦艇はジェット機,戦術核兵器などによる脅威の増大に対してレーダーと対空ミサイルを主体とした艦隊防空体制の整備に腐心してきた。
[対艦ミサイルの出現以後]
 1967年にイスラエルの駆逐艦エイラート号がアラブ連合(現在のエジプト)のミサイル艇から発射された対艦ミサイルにより撃沈され,全世界の海軍に強い衝撃を与えた。対艦ミサイルの出現はその後の海上戦の様相を一変し,このため海上兵力の整備計画は大変革を余儀なくされることになった。…

※「対艦ミサイル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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