日本株式会社論(読み)にほんかぶしきがいしゃろん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日本株式会社論」の意味・わかりやすい解説

日本株式会社論
にほんかぶしきがいしゃろん

第2次世界大戦後の日本の高度経済成長要因を,官民一体の経済行動のあり方に求めようとする日本経済特殊論の一つ。政府の策定した種々の経済計画通商産業省などによる指導通達が民間経済を統制し,それによって高度経済成長が達成されてきたとする。あたかも国家全体が一つの株式会社のようにふるまっているようにみえることからこう呼ばれる。極端な場合には日本経済が社会主義計画経済以上に統制された経済であるとみなされることもある。 1970年代にアメリカ商務省,J.C.アベグレンらによって主張された。しかし高度経済成長の原因をすべて政府の計画に求めることは到底不可能であり,学問的議論としては厳密さを欠いている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android