国指定史跡ガイド 「見島ジーコンボ古墳群」の解説
みしまジーコンボこふんぐん【見島ジーコンボ古墳群】
山口県萩市見島にある古墳群。萩の沖合約45kmの日本海上に浮かぶ、面積約7.8km2の見島にある。本村(ほんむら)の東方高見山から晩台山にいたる横浦海岸一帯に、幅50~100m、東西約300mにわたって約200基の古墳が密集して築かれている。海浜の玄武岩礫(れき)を利用し封土を用いずにつくった積み石塚で、内部主体は横穴式石室系と箱式石棺系のものがみられ、築造されたのは7世紀後半から10世紀初頭にかけてと推定される。出土品は、鉄刀や鏃(やじり)などの武器類、金銅製かんざしやガラス小玉などの装身具、緑釉陶器や土師器(はじき)などの土器類、銅鈴や銅鏡などの青銅製品、和同開珎(わどうかいちん)などの銭貨など、種類も数も豊富である。金具で飾られた鉄刀などの出土品から、被葬者は朝鮮との軍事的緊張にあたってこの島に派遣され、任期中に死亡した武人たちではないかと考えられる。全国でもまれな集団古墳群として、1984年(昭和59)に国の史跡に指定された。出土品は萩博物館、山口県埋蔵文化財センタ-にある。萩商港から高速船で約1時間10分、本村港から徒歩約10分。