赤化防止団(読み)せっかぼうしだん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤化防止団」の意味・わかりやすい解説

赤化防止団
せっかぼうしだん

大正期の国家主義団体で、日本ファシズム運動の一源流。1922年(大正11)米村嘉一郎(よねむらかいちろう)が設立。共産主義防遏(ぼうあつ)と資本家の反省を主張した。結成直後、アナキストとの立会演説会岩佐作太郎(いわささくたろう)に日本刀で切りつけ、翌23年後藤‐ヨッフェ会談に反対して東京市長後藤新平(しんぺい)邸を襲撃するなど、テロ活動を事とした。23年6月、米村は本部に押しかけたアナキストの高尾平兵衛(たかおへいべえ)を射殺して懲役刑(執行猶予)の判決を受けた。以後、組織的行動は低調となり、まもなく消滅した。

[岡部牧夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android