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執行猶予 しっこうゆうよ suspension of execution of sentence; Strafaussetzung

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

執行猶予
しっこうゆうよ
suspension of execution of sentence; Strafaussetzung

有罪判決を受け刑を言い渡された者に対し,一定の要件のもとで,情状によって一定の期間その刑の執行を猶予し,その猶予期間を無事に経過すれば刑の言い渡しはその効力を失うものとする制度をいう (刑法) 。

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知恵蔵2015の解説

執行猶予

有罪判決により刑の言い渡しは行うが、刑の執行を一定期間猶予し、その期間内に再犯をせずに経過すると、刑の言い渡しの効力を消滅させる制度。3年以下の懲役・禁固または50万円以下の罰金の言い渡しを受けた者について、前に禁固以上の刑に処せられたことがないなど、一定の条件を満たしている場合は、情状により1年以上5年以内の期間内でその刑の執行を猶予する。猶予期間中は保護観察に付すこともできる。近年では、懲役・禁固の有罪判決を受けた者のうち、半数あまりの者に執行猶予が認められている。執行猶予のつかない有罪判決は実刑判決と呼ばれている。

(土井真一 京都大学大学院教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

しっこう‐ゆうよ〔シツカウイウヨ〕【執行猶予】

有罪の判決を受けた者について、情状によって刑の執行を一定期間猶予し、問題なくその期間を経過すれば刑を科さないこととする制度。現行刑法では、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金の言い渡しを受けた者などに認められ、猶予期間は1年以上5年以下。
[補説]書名別項。→執行猶予

しっこうゆうよ【執行猶予】[書名]

小山いと子短編小説。昭和25年(1950)発表。同年、第23回直木賞受賞。

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百科事典マイペディアの解説

執行猶予【しっこうゆうよ】

刑の言渡しとともに,情状により,その執行を一定期間延期し,もしその期間を無事経過すれば,刑の言渡しがなかったものとする制度。3年以下の懲役禁錮または20万円以下の罰金の言渡しを受けた者について,前に禁錮以上の刑に処せられたことがないことなどを要件として,情状により1年以上5年以下の猶予期間が与えられる(刑法25条以下)。
→関連項目仮出獄前科

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デジタル大辞泉プラスの解説

執行猶予

1950年公開の日本映画。監督:佐分利信、原作:小山いと子、脚本:猪俣勝人、撮影:藤井静。出演:佐分利信、木暮実千代ほか。第5回毎日映画コンクール男優演技賞受賞。

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世界大百科事典 第2版の解説

しっこうゆうよ【執行猶予】

有罪判決により刑の言渡しは行うが,一定の条件のもと,その刑の執行を一時猶予する制度(刑法25条以下)。現行法では,3年以下の懲役・禁錮,50万円以下の罰金を言い渡すとき,(1)前に禁錮以上の刑に処せられたことのない者,(2)前に禁錮以上の刑に処せられたことはあるが,その刑の執行を終わり,またはその執行の免除を得た日から,禁錮以上の刑に処せられることなく,5年を超える期間が経過している者に対し,情状により,1年以上5年以下の期間,その刑の執行を猶予することができる(25条1項)。

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大辞林 第三版の解説

しっこうゆうよ【執行猶予】

懲役もしくは禁錮または罰金の刑の言い渡しを受けた者について、情状により一定期間刑の執行を猶予し、猶予期間を無事経過したときは刑を科さないこととする制度。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

執行猶予
しっこうゆうよ

犯罪者に刑を言い渡したうえで、一定期間その執行を猶予し、その間、本人が善行を保持したときは、その刑を執行しないことにする、という制度。19世紀の末ごろから、とくに短期自由刑の弊害(刑期が短いため、改善の効果も威嚇力も期待できない)を回避するために、西ヨーロッパ諸国で行われるようになった制度で、日本では1905年(明治38)にこの方法が採用され、その後、適用範囲を拡大しつつ現在に至っている。現行刑法によれば、執行猶予は、3年以下の懲役または禁錮(きんこ)、50万円以下の罰金について認められ、猶予期間は1年以上5年以下で決定される。しかし、禁錮以上の刑に処せられた前科のない者、または、これに準じて取り扱いうる者で、執行猶予を相当とする情状のある者に限る(刑法25条)。刑の言渡しと同時に判決で言い渡す。猶予期間中、保護観察をつけることもある(同法25条の2)。保護観察は、保護観察所がつかさどり、実行機関は保護観察官および保護司である。執行猶予の取消し事由は、期間中に罪を犯して禁錮以上の刑に処せられ、その刑に執行猶予が認められなかった場合のように、執行猶予がかならず取り消されるもの(必要的取消し事由)と、期間中に本人が遵守すべき事項を守らなかった場合などのように、情状をさらに検討したうえで取り消すかどうかを決めるもの(裁量的取消し事由)とを区別して、法律が規定している(同法26条・26条の2)。執行猶予が取り消されれば、先に言い渡されていた刑が現実に執行される。例外として、保護観察のつかない執行猶予の猶予期間中に罪を犯しても、1年以下の懲役または禁錮に処せられたにすぎず、とくに酌量すべき情状があるときは、再度、執行猶予が可能である。この場合には、かならず保護観察がつけられる。猶予期間を無事経過すれば、刑の言渡しそのものが効力を失う(同法27条)。
 執行猶予は、短期自由刑の弊害回避という目的をもつことも否定できないが、むしろ、刑の現実の執行がありうるということで犯罪者を威嚇しつつ、自由刑執行による社会生活の中断がもたらす社会復帰への困難を避け、本人の自律的な更生を促すという積極的目的をもつ。とくに保護観察と結び付くときには、社会内処遇(社会のなかで生活を営ませながら行う犯罪者処遇の形式)の性質をもつ。しかし、さらに現実的には、起訴便宜主義(検察官の裁量による起訴猶予を認めるという原則)の趣旨に従いあえて訴追するまでもなかったと裁判所が判断した場合の便宜的な救済措置としての機能や、恩典的意味をもつ事実上の刑の免除としての機能などもある。なお、最近では、懲役の約60%、禁錮の約90%が執行猶予になっている。[須々木主一・小西暁和]

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世界大百科事典内の執行猶予の言及

【行刑】より

…懲らしめによる威嚇と,規律による行動の外的統制の理念がそれを支えた。 19世紀後半には,アメリカの保護観察を伴った宣告猶予であるプロベーションprobationとそれに学んだヨーロッパ大陸の執行猶予制度が,受刑者を改善するよりも悪風に感染させるだけであると非難されていた短期自由刑の弊害を避けるために発展し,またオーストラリアなどの流刑地で行われた累進処遇制・仮釈放制や,保護観察を伴った仮釈放であるパロールparole,あるいは早期釈放を監獄内規律維持に使う善時good time制が拘禁自体の回避策として発展した。以上の実刑回避にとどまらず積極的に犯人改善を目ざしての処遇体制も,70年のシンシナティ宣言のころから明確になり始める。…

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