『浮雲』(読み)ウキグモ

とっさの日本語便利帳 「『浮雲』」の解説

『浮雲』

二葉亭四迷
千早振る神無月ももはやあと二日余波となッた二十八日の午後三時ごろに、神田見附の内より、と渡る蟻、散る蜘蛛の子とうようよぞよぞよ沸出でて来るのは、いずれも顋を気にしたもう方々。\(一八八七~八九)

『浮雲』

林芙美子
なるべく、夜更けに着く汽車を選びたいと、三日間の収容所を出ると、わざと、敦賀の町で、一日ぶらぶらしていた。\(一九四九~五一)

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