エウァンドロス(英語表記)Evandros

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エウァンドロス」の意味・わかりやすい解説

エウァンドロス
Evandros

古代ローマの伝説中の英雄。ヘルメスアルカディアのラドン川の娘であるニンフのテルプサの間に生れ,母とともにギリシアからラチウムに移住して,のちにローマの場所となるパラチヌス丘上にパランテウム市を築き,王となって住民の教化に努めた。アイネイアストロイの落ち武者たちを連れ,ラチウムに来たときは,あたたかく迎えて同盟を結び,援助を惜しまなかったという。ローマの古い女神カルメンティスは,エウァンドロスの母のニンフの別名にほかならず,その他ケレス,ネプトゥヌスファウヌスなど多くの神々の祭祀が,彼によりアルカディアからラチウムにもたらされたと信じられた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android