トロイ(英語表記)Troy

翻訳|troy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アメリカ合衆国ニューヨーク州東部の都市。オールバニ北東約 10km,バージ運河ハドソン川交点に位置する。かつてはハドソン川に沿うオランダ植民地振興のためオランダ西インド会社がハドソン渓谷に設けた荘園の一部であったが,アメリカ独立戦争後,町が建設され,1789年にトロイと名づけられた。 1816年市制。合衆国の異称となった「アンクルサム」はこの町の商人に由来する。商工業都市で,衣類製造業が盛ん。大学や E.ウィラードが設立した女子高等教育機関のエンマウィラード学園がある。人口5万 4269 (1990) 。
アナトリア北西部の古代都市。ギリシア語ではトロイア Troia,イリオス Ilios,イリオン Ilion,ラテン語ではトロイア Troia,トロヤ Troja,イリウム Ilium。ヘレスポントス(ダーダネルス海峡)に近いスカマンドロスとシモイス川に挟まれた小平野,今日のトルコのヒッサリクの丘にある。アジアとヨーロッパ,エーゲ海黒海の接点を占める城塞としてこの地方の政治,文化の中心となり,古代に繁栄を誇った。324年にローマ皇帝コンスタンチヌス1世(大帝)がボスポラス海峡に臨むヨーロッパ側にコンスタンチノープルを建設して以降,交通路からはずれ,衰退して廃墟と化し,伝説上の都市とされ実在が長らく疑われていた。しかし 1871~90年ハインリヒ・シュリーマンによって発掘され,その後ウィルヘルムデルプフェルト,さらに 20世紀になってアメリカ合衆国のシンシナティ大学の発掘調査によって詳細な報告が得られた。遺跡は 46層が確認されており,大きくは 9層に分けられる。第1~5層は青銅器時代初期に属し,第6層と第7a層,第7b層は青銅器時代中期から後期に属する。その後 4世紀ほど断絶があり,第8層は前700年頃のギリシア人の植民によって建設され,トロイがイリオンと呼ばれていた時代であり,第9層はヘレニズム期(→ヘレニズム文化)からローマ時代まで存続した都市である。土器などの出土品が多く,特に第2層からは,宝石類,黄金製の装身具,種々の金属製の器などが発掘され,シュリーマンはこれらをホメロスの『イリアス』に描かれたトロイ王プリアモスの遺物と考えた。のちにシンシナティ大学のカール・W.ブレーゲンらにより,プリアモスのトロイは第2層ではなく第7a層と推定された。これら発掘の成果から,トロイ戦争の伝承の舞台を同地とすることはほぼ定説となった。1998年世界遺産の文化遺産に登録された。

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デジタル大辞泉の解説

フランスの地名Troyesから》イギリスで貴金属・宝石に使用するヤードポンド法質量単位
米国ニューヨーク州東部の都市。州都オルバニーの北東約10キロメートル、ハドソン川沿いに位置する。南北戦争以前まで鉄鋼業で栄え、続いて衣類の製造が盛んになった。レンセラー工科大学、ラッセルセージ大学が所在。米国を擬人化した男性アンクルサムは、同地出身の商人に由来する。

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デジタル大辞泉プラスの解説

2004年製作のアメリカ映画。原題《Troy》。トロイア戦争を舞台とした歴史スペクタクル映画。監督:ウォルフガング・ペーターゼン、出演:ブラッド・ピット、エリック・バナ、オーランド・ブルーム、ショーン・ビーン、ピーター・オトゥールほか。

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世界大百科事典 第2版の解説

アメリカ合衆国ニューヨーク州東部の工業都市。人口5万4000(1990)。ハドソン川の東岸に位置し,エリー運河開通やニューヨーク・セントラル鉄道の開通とともに中西部市場と結びつき,ニューヨーク市とその地域の中間点として発達した。ワイシャツの製造で知られているが,そのほかにも自動車部品,機械器具,衣類の生産がある。1786年に町が建設され,1816年市制施行。1810年代から1920年代にかけて工業が発展した。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (troy フランスの地名 Troyes に基づく) イギリスで金・銀・宝石などの重量を計る単位。トロイオンス、トロイポンドなどがある。〔経済小学(1867)〕
(Troy) 古代の都市。小アジア半島の西端、ダーダネルス海峡に近いヒッサルリクの丘にあった。一八七〇年以来の調査・発掘により、前三〇〇〇年からギリシア・ローマ時代頃までの九層の住居跡が発見され、ホメロスの叙事詩「イーリアス」に現われるものは紀元前一三世紀頃の第七A市とされる。トロヤ。トロイア。

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