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アルカディア Arkadia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アルカディア
Arkadia

ギリシア,ペロポニソス半島中央部を占める地域。大部分が山地であるが,西部を流れるアルフィオス川とその支流沿いに肥沃な低地がある。古くからアルカディア人が住んでおり,地形的にギリシア本土と隔絶していたために,前 12世紀ドーリス人の侵入時にもその占拠を免れ,その後も古来の生活や方言を維持。この時代の牧歌的な生活が後世の詩や文学で一種の理想郷としてたたえられるようになった。前6世紀頃から前 371年までスパルタの支配下にあり,人口が減少,ローマ時代には衰退。紀元後スラブ人の流入でやや人口が増加したが,13~15世紀にフランク人の抗争により荒廃。その後3世紀以上オスマン帝国の支配下におかれ,1821年に始ったギリシア独立戦争時には激しい戦闘の舞台となった。現在はこの地域にアルカディア県が設置されているが,古代アルカディアがまったくの内陸地域であったのに対し,同県は南東部がアルゴリコス湾にのぞむ。

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百科事典マイペディアの解説

アルカディア

ギリシア南部,ペロポネソス半島中央部の地方で,現在は一県をなし,県都はトリポリス。大部分が山地で,南東のアルゴリス湾岸に狭い平野がある。古代アルカディア人の住地で,牧畜を主とし,マンティネイアテゲアなどの町があった。

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デジタル大辞泉プラスの解説

アルカディア

1993年初演のトム・ストッパードによる戯曲原題《Arcadia》。19世紀イギリスと現在が交錯する、知的な議論に満ちた作品。1994年に第18回ローレンス・オリヴィエ賞(新作演劇賞)を受賞。

アルカディア

株式会社KADOKAWAが発行していたゲーム・アニメ情報誌。アーケードゲームに関する情報を紹介。2015年2月発売の4月号以降、不定期刊行となる。

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日本の企業がわかる事典2014-2015の解説

アルカディア

正式社名「株式会社アルカディア」。英文社名「Arcadia, Inc.」。情報・通信業。平成5年(1993)設立。本社は大阪府箕面市西小路音声合成・音声認識用ソフトウェアの開発と応用製品の販売を行う。音声収録サービスや音声データベース作成なども手がける。

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世界大百科事典 第2版の解説

アルカディア【Arkadia】

ギリシアのペロポネソス半島中央部の山岳地帯名。Arcadiaとも綴る。現在は一県を構成しており県都はトリポリス。アルフェイオス川が流れ,その流域は比較的地味が肥えているが,多くは山がちで牧畜が主力であった。おもな都市としては,トリポリスのほかにメガロポリスがあり,またマンティネイア,テゲアは歴史的に知られている。ここには古くから人が住んでいたが,風土的条件が悪いためにポリスの形成はおそかった。したがってギリシアの歴史上に際だった役割をはたすこともなかった。

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大辞林 第三版の解説

アルカディア【Arkadia】

ギリシャ南部、ペロポネソス半島中央部の山がちな地域。高山や峡谷で他の地域から隔絶され、古くから牧歌的理想郷の代名詞とされた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アルカディア
あるかでぃあ
Arkadia

ギリシア南部、ペロポネソス半島中央部の県。古代にアルカディアとよばれた地域とほぼ重なる。県都トリポリス。面積4419平方キロメートル、人口10万2700(2003推計)。平均標高1500メートルの丘陵地帯で、最高峰はパルノン山(マレボス山頂で1937メートル)。アルゴス湾西岸沿いに64キロメートルの海岸線をもつほかは、高い山や峡谷が他県との間を分けている。長く孤立した地域であったが、現在はアルゴス―トリポリス―カラマタ鉄道が貫通する。県都トリポリスを中心とする大幹線道路も整っている。おもな産業は農業と牧畜である。G・K・チェスタートン、P・シドニーなどによって多くの小説や詩に描かれ、牧歌的理想郷の代名詞とされている。[真下とも子]

歴史

この地の方言には古い要素が残存しており、言語学的には興味ある地域である。しかし、政治上はあまり重要な役割を果たさなかったと考えられ、ミケーネ時代の遺跡はごくわずかしかない。紀元前6世紀よりアルカディアの諸都市は強引にスパルタの支配を受け、何度かこれに反抗を試みたが失敗した。前4世紀テーベの助力のもとに、ポリビオスの出身地で有名なメガロポリスを設立し、アルカディア同盟を結成したが、まもなくマケドニアの支配に服した。前235年にはアカイア同盟に加入、ローマと戦ったが敗れ、ローマに服属した。アルカディアは諸市間の内紛があって古代ギリシア世界で指導的役割を果たせなかった。しかし、古典期、ヘレニズム時代は傭兵(ようへい)の供給地ならびに諸神の崇拝地として、さらに牧歌的理想郷として有名になった。[真下英信]

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世界大百科事典内のアルカディアの言及

【ウェルギリウス】より

…その意味で歌集の枠を形成する前述の第1および第9歌は形式的にも内容的にも重要な位置を占める。 《詩選》の精神的世界は〈アルカディア〉と呼ばれ,ヨーロッパの詩人によってその後も精神的自由を象徴するイメージとして受けつがれた。ゲーテが《イタリア紀行》の副題に〈我またアルカディアにありき〉という文句を添えているのはその代表的な例である。…

【テオクリトス】より

… テオクリトスの名を高め,その後に多くの愛好者と模倣者を生み出した〈牧歌〉は,都会の喧噪から離れた田園的情景の中に繰り広げられる歌好きの牧童の生活を,ときには卑俗なまでになまなましく描き出しており(《牧歌詩集》1,3~7,10,11,14番),大都会の小市民の生活の一断面を描いた作品(同2,15番)と好一対をなす〈ミモスmimos(活写劇)〉的色彩が強い。しかし彼の描く〈田園〉もやはり,外の世界の政治的状況からは隔絶した静寂が得られる閉鎖的空間という,大都市生活者の目からみた理想としての性格を兼ね備えており,場面をアルカディアに移し変えたウェルギリウスの《牧歌》を経て,やがて〈アルカディア〉が単なる〈理想郷〉を意味するようになる端緒はすでにテオクリトスに見いだされることが指摘されている。ほかに神話を題材とする小叙事詩およびサッフォーアルカイオスの言語と韻律を模した作品等も含む。…

【メガロポリス】より

…現在のメガロポリスMegalópolisの北方約1.8kmにある。スパルタに対抗するため,テーバイの将軍エパメイノンダスとアルカディアの住民が協力して,前368‐前367年に〈アルカディア同盟〉の首都として建設し,40の都市や町が植民に参加した。メガロポリスはテーバイやマケドニアと同盟関係にあり,後には〈アカイア同盟〉に加わった。…

※「アルカディア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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