オルデンブルグ(読み)おるでんぶるぐ(英語表記)Сергей Фёдорович Ольденбург/Sergey Fyodorovich Ol'denburg

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オルデンブルグ」の意味・わかりやすい解説

オルデンブルグ
おるでんぶるぐ
Сергей Фёдорович Ольденбург/Sergey Fyodorovich Ol'denburg
(1863―1934)

ロシアの東洋学者。ロシアのインド学創始者ミナーエフИван Павлович Минаев/Ivan Pavlovich Minaev(1840―90)の弟子。ペテルブルグ大学東洋学部卒、1889年より同大学で教える。科学アカデミー会員(1900)、同常任書記(1904~29)、臨時政府文部大臣(1917)を経て、1930~34年ソ連科学アカデミー東洋学研究所所長。研究の中心はインド古代・中世の文化・宗教史である。1894年の『仏教伝説』は、インド文学史とインド・東洋民俗学、ロシア・西欧民俗学に関する一連の研究の基礎をなすものである。ほかに仏教史、仏教芸術、古代文献に関する研究がある。1909~10年、14~15年の2回、ロシアの東トルキスタン探検隊を率いた。1回目のクチャトゥルファンなどについては報告書が出版されたが、2回目の敦煌(とんこう)方面についてはない。1897年以降『仏教経典集』の編修に尽力した。

[木村英亮]

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改訂新版 世界大百科事典 「オルデンブルグ」の意味・わかりやすい解説

オルデンブルグ
Sergei Fyodrovich Ol'denburg
生没年:1863-1934

ロシアの東洋学者。ペテルブルグ大学東洋学部卒業後,科学アカデミー常任書記,東洋学研究所長を歴任。学問的業績は多岐にわたったが,とくにインド古代・中世の文化史・宗教史に多い。1909-10年と14-15年の2回,東トルキスタンの考古学的調査団を主宰した。1897年彼の提唱により仏典刊行の国際事業がおこされ,〈仏教文庫Bibliotheca Buddhica〉シリーズが出版された。
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